後藤達哉がテレビ業界で「今」働く意味
後藤達哉の再出発
来週からまた東京に通います。前職はスタートアップで働き方もかなり自由でしたので、リモートワークも織り交ぜながらでしたから(感謝してます)、久しぶりに週5で新幹線通勤となる模様。慣れるまでしばし耐えます。そんな人生の季節。なるべく楽しみながら。。。
さて、テレビ業界で、デジタル広告を中心としたクロスメディア営業と(主に)IP、コンテンツによる事業開発をやる(という理解で居る)にあたって、入社前に自分がテレビ業界で「今」働く意味を考えてみる。
※意義ではなく、意味です。社会的意義ではなく、個人的意味がこれからの時代重要。意味を追求することがむしろ意義に繋がって云々カンヌンについては拙著『続けない働き方。』にて
こちらでもそのあたりは少し書いたんですが、
転職、しばらくやめます。 - 後藤達哉の働き方、生き方、その思考。ぜんぶ。
書き足りないのでここで更に書き留めておきます。
これまた自著からの引用で恐縮だが、
「想い」と「技術」や「知識」を掛け合わせることで好きで得意で勝てる=オンリーワン!になるので「想い」軸と「スキル」軸で書いてみる。
※後半には流れでテレビの強み、テレビの未来みたいなことも書いてます
後藤達哉がテレビ業界で働く意味
「想い」軸 その1
面白いことがやりたい(エンタメ)
23歳の頃から「自分は楽しく、世の中はもっと楽しく」を働く上でのテーマとして掲げて実行してきて、やっぱり自分はシンプルに面白いことをやりたいんだな、と。
会社員だからこそ、新しくて面白くて大きいこと、ができる。言葉にすると稚拙ですが、これに尽きる。
面白がりながらやりがいのある仕事をして楽しみたい。それが一番泥臭くて大変なのわかってるんですが、、世の中に企画がカタチとなって産み落とされる瞬間のあの充足感は、おそらくやめられないんでしょう。
テレビはエンタメの宝庫。ゲームやアニメだけでなくバラエティ、音楽、ドラマ、スポーツなど、、、やれることはたくさんありそうです。
特にバラエティは、自分が触れてきたエンタメでもかなり上位に入る(たぶん1位)かつ、仕事では扱ったことがないので(キャラクターではなく、生身の人間の難しさはいろんな意味であるでしょうが)、楽しみにしています。ほにゃららバラエティってあるようにバラエティは「掛け算」しやすいのも魅力。
あと、スタートアップでより良い世の中に、、と思って働いてみた(チャレンジしてみた)が、やはりエンタメと社会貢献を両方ともやりたいのと(無理にわける必要はない)、キャリアとか「自分らしく生きる」ための「きっかけ」づくりみたいなのは「本」とか「YouTube」など、課外活動で。ライフワークにシフトしているのもあります。
「想い」軸 その2
より良い世の中にしていきたい(社会貢献)
子供が生まれたのもあってか、30歳ぐらいで初めて湧き出てきた欲求(現在34歳)。自分の使命みたいなものもそこから本格的に考え始めた。
自分の原体験を見つめて、そこから前述の執筆をはじめたり、キャリアに関わる企業で働いたりもした。その後も、なるべく社会貢献性の高い仕事に携わることを試みた。
ただ、ここも「今」のジブンゴトとしての「想い」がないといけない。
例えば、今回の転職活動で外資に内定取り消されたときに考えたのは、別に海外でバリバリ働くこと目指してたわけじゃなくね?って話で。だったら、日本もっと掘ればいいんじゃね?掘りたいんじゃね?俺。と、気づけたんですよね。
人は人、自分は自分。いろんな役割があるはず。
地方創生、地方創生と叫ばれるが、グローバルから見たら日本を深掘ることもある意味、地方創生なわけで。
『Youは何しに〜』とかはまさに外国人視点で日本を深掘る番組ですよね。バラエティ的な楽しさを得ながら、日本人も知らない日本の魅力を発見できたり、大袈裟かもですが日本人としての自尊心が良い意味で高まる場面もあったりします(もちろん誇張や、やりすぎはよくないですが)。
あとはやはり僕自身、小田原に長く住んでいくと決めたこともデカい。
子供の「地元」にしたくて、住んだわけだし、子供たち世代にとっての地域だったり日本だったり時代だったりをより良くしたいと考えるのは、親として当たり前なわけで(これを父性と呼ぶものなのだろうか)。
小田原に居を構え、東京で働く自分として、ジブンゴトとして、よりよい小田原、東京、日本にしていくために行動していくことは当然の流れなわけです。僕はイクメンではないから、そういったことで自分を活かして結果的に子供のためになったら良い。
ちょっと熱くなり話逸れましたが「地方創生」みたいなところに携われることもテレビ(特に入社する会社の強みの一つ)で働く意味の一つとして考えても良いかな、と。
旅番組とかも面白いですよね。バス乗り継ぐ系もそうですし(実は結構好き笑。サンドウィッチマンのとかタカトシのとか)。『出川哲郎の充電させて〜』とかも。さりげなくLINEスタンプ所持。
バラエティとしての面白さ、見易さを追求しながらナチュラルに地方の魅力を伝えてる「コンテンツ」だな、と。例えばね。
あとテレビは地方局のネットワークがあるのも強みだと思います(テレビ局の強みに関しては後述します)。
社会貢献の文脈、切り口として地方創生はあくまで一例で、もちろんこれだけではないですし、むしろ色々とできるのも「メディア」の特性だから、それも今の僕には合ってるのかなと。意味を感じられないと働けない自分にとっては、メディアは「意味」の宝庫かもしれない。。
そもそもシンプルにテレビっ子だったってのもありますが(実はこれが一番の原体験?)、、これはさらに長くなるので「想い」としてはこの辺りにして。
「スキル」軸 その1
IP、コンテンツ業界での経験 (ライセンサーとライセンシー)
ポケモン、レベルファイブ(妖怪ウォッチ、イナズマイレブン、レイトン教授など)でいわゆるライセンサー(版元)としての動きを長くしてきました。商品化とタイアップ。
また前職ではIOT製品のメーカーとしてディズニーのライセンシー(とってくるところから)もやってみました。ライセンサーとライセンシー両方の経験があるので、その知見をうまく活かせれば。
「スキル」軸 その2
広告業界での経験 (クライアントと広告会社)
ポケモン時代はメーカーの宣伝部的な動きをしてきましたし、レベルファイブでも一貫して関わってきました。前職でもスタートアップの少ない予算ながら宣伝的な動きもやってみました。また広告代理店での営業経験もあるので、広告の世界における発注する側と受注する側をやった経験があります。
ただ、ここは一番キャリアの中で(相対的に見たら)現場実務としては正直シェア低め。今回メディア側で本業になるところなので、スタートは一番頑張らないといけないポイントかなと思いつつ。一生勉強、一生雑魚の精神で、基礎固めしっかりして、並行して面白いこと企めればと。
「スキル」軸 その3
ビジネスアライアンスの経験 (大企業とベンチャー)
最初の1年以外の11年間は名称は変われど、一貫してビジネスアライアンスという職種を極めてきたと言ってもいいと思います。主に0→1よりは1→10(僕的にはいつも2万ぐらいにしたい気持ちでやってる)のフェーズで、今あるプロダクトやサービス、新たなメシの種を社外と組むことで非連続に成長させることが得意です。人はそれを、事業開発とも言う。
あくまで事業会社で事業を拡大させることが得意。
特に大企業とベンチャー両方に居た経験は今回の大企業グループで生きるのではないかと感じている。
以上、ポイントは、だからいろいろ出来ますよって言いたいわけでは無く、いろんな局面において、発注する側、発注される側それぞれにいたことがあるので、それぞれの気持ち、わかります。あと、だまされることはないです笑(てのは半分冗談として)。
当然、相手方に流れすぎたりせず、時には戦いますが、(一応)それぞれの立場をオモンパカリ、愛を持って接します。
このあたりが実は一番、身をもって転職をしてきたことの利点なのではないかなと思ってます。実際当事者としてやらないと、わかりませんから。人間的な成長にも繋がったと思ってます。
余談ですけど、書いてて思ったのは、実際やらないとわからないしやってみたい(一度きりの人生だし)ってのは案外、僕にとって転職の理由になってそうです。だけど心境の変化というか、そろそろ出来ること出来ないことわかってきたので腰を据えようかなと。
長くなりましたけど、以上の「想い」と「スキル」を掛け算して自分らしい仕事をしたいです(キリッ
後藤達哉が想う、テレビの強み、テレビの未来
テレビの強みは今の僕が思うに3つあると考えていて。
テレビの強み その1
信用度の高さ
テレビはなんだかんだで我が国おいては信用度が高いメディアだと思う。
テレビの情報信じるな、とかネットとかで騒がれたり騒がれなかったりするものの、すごい柔らかい例にはなるけど、いまだにテレビで特集された店が混んでたり、並んでたりする。信用度というか信頼度というか、影響力と言うか、まだまだ侮れない。だからこそツクル側の人間性(そこに愛があるか?)がより問われる時代になる。もちろん情報の切り口、精度、スピードも大事。信用度がなくなったらそれこそ終わってしまうだろう。
テレビの強み その2
コンテンツ制作力(質)
これは一番の強みと言っていい。テレビはつまらなくなった、と言われるけれど、やはりコンテンツの質は高い。コンテンツの質が高いのが当たり前になってるのが逆に辛いところではあるし、たしかにつまらない番組もある。けどやはりテレビでしか見られない面白いものは見てしまう。直近だとM-1とか。最高だった。
年末にがガキ使と紅白を同時にみながらツイッターのホットワードを眺めるとか(ツイッターはM-1もか)。箱根駅伝もなんだかんだ見てしまう。
制作の力もそうだし、タレントの力(キャスティング)もそう。YouTubeも見るけどより一層テレビの質は高い(というかYouTubeは情報収集に近い。本みたいな。僕にとって)。
じゃあネットフリックスとかアマゾンとかはどうなの?って。あれも観たい番組があるから入るって感じだから同じことかなと。僕は久保君が観たいってだけでダゾーンに入っている。週1回1試合を見るためだけ。てことはやはりコンテンツの力というか、観たいと思われる番組を(テレビと言う装置というか出目にこだわらずに、テレビと言うコンテンツクリエイティブブティック的なブランドとして)あらゆる出目に出していけばいいと思う。そしたら出し方とか出しわけが事業開発やマネタイズポイントになりそう。
映画のビジネスを考えるとそれに近い。テレビも参入している。製作委員会という形で。出資と制作(場合によってはドラマやアニメが映画になったりする)。これも出目が違うだけ、と言ってもいい。
映画はつくるのにお金(リスク)がかかるから、出資が成り立つ。ネットフリックスとアマゾンはお金に困ってなさそうだから出資って文脈はなさそうだから、やはりコンテンツ文脈。コンテンツ提供になるのかな。あと皮肉なことにテレビCMでネットフリックスとかバンバンやってるけど、あれば広告費をとっているだけなのかな。何か共存(というか相乗効果)できるようなアライアンス組めばよさそうなものだけど。そこはあまり詳しくないから入ったら聞いてみよう。
ってまた話が逸れかけましたが、コンテンツ制作力でいうと、優秀な人的リソースってのがあると思っていて。正直テレビ業界はまだまだ人材の流動化が少ないと思うので、人材が残っているはず。「優秀な人材」と「危機的な状況」と僕みたいな「中途のおっさんたち」が掛け算されるような世界観になったらまだまだ面白いと思う。
僕は作り手をリスペクトしながら、どうやったらもっと見てもらうだけじゃなくて(視聴率上げて終わりじゃなくて。広告モデル依存の脱却)、お金になるとか、世の中にその番組を番組というカタチ以外でももっと楽しんでもらえるのかって考えるのが仕事になるのかなと概念的には捉えている。
逆に番組ではないところから番組になっていくのもありか。いや、出口はテレビ以外のほうがいいか、とか(独り言w)
これはゲーム会社でやってきたことと全く同じ。ゲームをゲーム以外のカタチ(ゲームIP)で、というのと。前述の通り、テレビはゲームとはまた違った色んな可能性もあるでしょうし、そこがやはり楽しみなところ。
テレビの強み その3
2世代、3世代をつなぐ装置であること
装置ではなくブランドとして、という見立てをしたあとに矛盾しますが、装置としても強みがまだまだあると思っていて。それは例えば親子とか、おじいちゃんおばあちゃんと孫とか、をつなぐ装置ではあるということ。これは稀有なメディアかなと思う。歴史あるというか古いからこそなのだが、これを利点に変えたり、何かに繋げたりすることもできるんじゃないかなと。
例えばアニメ妖怪ウォッチはわざと親世代にしかわからないパロディギャグをいれて、子どもにこれなあに?なんで笑ってるの?と聞かせることでコミュニケーションを生むことを仕込んでいた。これは間近にみていて本当にすごい、と感じていた。
あとは自分の経験で恐縮だが、おじいちゃんが観ていた相撲からのプロ野球ナイターの流れは鉄板で、一緒に観るうちに自分も好きになり、一緒に生で観戦に東京に出た、という思い出もある。オンライン→オフライン→ファン化の体験、でもある。
これはポケモンのときも親子二世代の文化をつくる、とか言って仕事していたことからも想いとして強いのですが(今、息子がハマりにハマっている)、やはり世代間のコミュニケーションはすごく良いものだと思っていて。
あらゆるメディアがパーソナライズ、ある種、分断化していく中で、個人的にも残しておきたい装置だと思っている。
もしテレビという装置がなくなったとしても、世代間コミュニケーションの仕掛けはテレビというブランドが担うべきだと感じている。そこから何か新しいもの、社会的意義、エンターテインメント、それぞれ生まれる可能性も。
また、おじいちゃんおばあちゃんはBSとか結構見てる。あと、地方だと地方局とか結構まだ見られている印象。世代や地域によってはテレビがいきなりなくなったら困る人もいるのではないかと思う。(なかったらなかったでなんとかなるんかな、もうちょい考えてみよ)。
あと地方の事例で2年前にこんなこと書いていた。
・地方創生の先を考える。地方テレビ局の事例から
https://www.gototatsuya.work/entry/2018/03/09/015121
『水曜どうでしょう』の事例はまさにそうで、まさにコンテンツ、という話に戻る。全国のローソンでくじ商品やってたのは凄かったな。
グローバル視点の「地方創生」で言うならば、北海道のコンテンツが全国に拡まったように、日本のコンテンツが全世界に拡まってもよいわけで、これは既にアニメや映画が事例としてある(やはり映画は衰退しかけてたメディアの先輩としてヒントなのかもしれない)。
と、つらつら書いてしまったが、結局、自分の「想い」強め、エモめ。
やはり最後は愛、愛なんだよな。
愛のある会社、コンテンツが勝つ。
以上、テレビ業界で働く意味、テレビの強みなどを書いてきた。
とはいえ、テレビがヤバいことは明白で。
テレビ以外の収益(放送外収益)の比率を上げていかないといけない(場合によっては逆転させないといけない)大転換期。
ここ数年が勝負といえる。だからこそ個人のキャリアとしてはむしろその逆境が面白いのではないかともくろんでいる。
なにせ新しいことをやらないといけないわけだから。
と、かなり気合い入っちゃってますが、まずは地に足付けて目の前のこと一歩一歩確実にやります。ステイハングリーステイフーリッシュ。
まだインプットが何もない状態であえて書いてみました。入社前に言いたいことは全部言ったかな?(笑)
入社前だからこそ“素人目線”だからこそ書けるこのタイミングで、どうしても書き留めておきたかったのです。
7000字近い、かなりの超大作になってしまいました(深夜2時半すぎ)。最後までお付き合いいただいたアナタ、ありがとうございます。
是非、テレビの未来について語り合いましょう。そして、いろいろ教えてください。